注目を集めているノーコード開発。プログラミングスキルがなくても、視覚的な操作でアプリやWebサイトを作成できるツールとして、個人事業主から大企業まで幅広い層で導入が進んでいます。
この記事では、2024年におけるノーコード開発の流行と市場規模、そして具体的な事例を徹底解説します。
1. ノーコード開発とは?
ノーコード開発とは、プログラミングスキルを必要とせず、視覚的な操作でアプリやWebサイトを作成できる開発手法です。ドラッグ&ドロップで画面部品を配置したり、メニューから機能を選択するだけで、簡単にアプリケーションを構築できます。
2. ノーコード開発が流行する理由
ノーコード開発が流行する理由は、以下の点が挙げられます。
2.1 誰でも簡単にアプリやWebサイトを作れる
プログラミングスキルがなくても、ノーコード開発ツールを使えば簡単にアプリやWebサイトを作成できます。これにより、これまで開発コストや人材不足でアプリ開発を諦めていた個人事業主や中小企業でも、自社独自のアプリやWebサイトを構築できるようになりました。
2.2 開発コストと時間を大幅に削減できる
ノーコード開発は、プログラミングによる開発と比べて、開発コストと時間を大幅に削減できます。従来の開発方法では、数ヶ月から数年かかっていた開発期間が、ノーコード開発であれば数週間から数ヶ月に短縮できます。
2.3 デジタル化の推進
近年、企業のデジタル化が加速しています。ノーコード開発は、デジタル化に必要なアプリやWebサイトを迅速かつ簡単に構築できるため、企業のデジタル化推進に貢献しています。
3. ノーコード開発市場規模
3.1 世界市場規模
MarketsandMarketsの調査によると、世界のノーコード開発市場規模は、2022年の287億米ドルから、2028年には652億米ドルに達すると予測されています。
3.2 国内市場規模
アイ・ティ・アール(ITR)の調査によると、国内のノーコード/ローコード開発製品・サービス市場規模は、2021年度の611億6000万円から、2026年度には1300億円を超えると予測されています。ITRは「2026年度は2021年度の2倍超に当たる1330億に拡大する」と予測してます
4.1 ツールの機能強化
ノーコード開発ツールの機能は、日々進化しています。2024年には、より高度な機能が搭載され、より複雑なアプリやWebサイトもノーコードで開発できるようになるでしょう。
- Bubble: データベース、ユーザー認証、API連携など、高度な機能を備えています。複雑なWebアプリケーション開発に適しています。
- Webflow: デザイン性の高いWebサイト作成に特化しています。ノーコードながら、レスポンシブデザインやCMS機能も備えています。
- Adalo: モバイルアプリ開発に特化しています。ネイティブアプリ開発に近い機能を持ち、オフライン対応も可能です。
- FlutterFlow: ネイティブアプリ開発に特化したツールです。Flutterフレームワークを採用しており、高いパフォーマンスと美しいデザインを実現できます。
- Click: ドラッグ&ドロップ操作で簡単にアプリやWebサイトを作成できるツールです。初心者でも使いやすいシンプルなインターフェースが特徴です。日本国内のツール。
4.2 クラウドとの連携強化
ノーコード開発ツールは、クラウドサービスとの連携が強化されています。2024年には、ノーコード開発ツールとクラウドサービスを組み合わせることで、より高度なアプリケーションを構築できるようになってきてます。
代表的な連携例
現在は、GoogleのGCPが多いような気がします。
- Firebase Cloud Functions: Google Cloud Platformのサービス。サーバーレスでコードを実行。
- メリット:
- サーバーレス環境
- 自動スケーリング
- 豊富なイベントソース
- コストパフォーマンス
- メリット:
- Firebase: Google Cloud Platformのサービス。リアルタイムデータの同期に最適。
- メリット:
- リアルタイムデータの同期
- オフラインアクセス
- スケーラビリティ
- セキュリティ対策が充実
- メリット:
4.3 AIとの連携
ノーコード開発ツールとAIの連携が進むことで、開発者はより効率的にアプリやWebサイトを作成できるようになります。例えば、AIが自動的にコードを生成したり、デザインを提案したりする機能が搭載される可能性があります。
デザインを提案するツールやAI
デザインツール
- Canva: 豊富なテンプレートと素材を使って、簡単にデザインを作成できるツール。初心者でも使いやすいインターフェースが特徴。
- Figma: UI/UXデザインツール。チームでのコラボレーション機能が充実。
デザインAI
- Midjourney: テキストプロンプトから画像を生成するAI。高品質な画像生成能力が特徴。
- DALL-E 2: テキストプロンプトから画像を生成するAI。Midjourneyと同様に、高品質な画像生成能力を持つ。
コード生成ツール
- GitHub Copilot: GitHubが提供するAIアシスタント。コードの自動補完や関数提案など、開発作業を支援。
- Cursor: コログラミング関連の業務全般を自動化できるAIツールです。Cursorを活用すれば、コードを自動で生成できるのはもちろん、チャットで質問できる。
その他
- Notion: AIアシスタント機能「Notion AI」が、タスク管理やメモ作成を支援。
- Airtable: AIアシスタント機能「Airtable Automation」が、業務を自動化。
- Zapier: さまざまなアプリやサービスを連携させるツール。ノーコード開発でよく使われるツールの一つ。AIを使って自動で自動化を提案する
2024年では今後さらに、期待される機能
- AIによるコード生成
- 自動化されたテスト機能
- セキュリティ強化機能
- より複雑なデータ処理機能 ができるようになっていくと考えられてます。
5. 各業界におけるノーコード開発事例
あらゆる業界で活用できますが、特にこれから起業したり、スタートアップしている企業には、
以下のような機能で新しいアイディアを実装することができると思います。
顧客管理
- 顧客情報管理:顧客の属性、購入履歴、問い合わせ履歴などを一元管理することで、顧客との関係を強化し、リピート購入を促進できます。
- 営業支援ツール:案件管理、顧客とのコミュニケーション履歴、営業資料作成などを効率化することで、営業活動を効率化できます。
- 顧客アンケート:顧客満足度調査、製品開発アンケートなどを簡単に作成・実施し、顧客ニーズを把握できます。
販売管理
- オンラインショップ:商品情報、注文管理、決済処理などをノーコードで構築し、短期間でネット販売を開始できます。
- 予約システム:レッスン予約、イベント予約、レンタル予約などを簡単にシステム化し、顧客利便性を向上できます。
- 在庫管理:商品の入出庫管理、ロケーション管理などを効率化し、在庫過剰や欠品を防ぎます。
社内業務
- タスク管理:チームメンバーのタスク管理、進捗状況確認、コミュニケーションなどを効率化し、プロジェクトを円滑に進められます。
- プロジェクト管理:スケジュール管理、ファイル共有、進捗報告などを一元管理し、プロジェクトを効率的に管理できます。
- 社内ポータル:社員向け情報共有、ニュース配信、アンケートなどをノーコードで構築し、社内コミュニケーションを活性化できます。
その他
- 学習プラットフォーム:オンライン教材、動画講義、テストなどをノーコードで構築し、教育事業を展開できます。
- コミュニティプラットフォーム:ユーザー同士の交流、情報共有、イベント開催などをノーコードで構築し、コミュニティを活性化できます。
- サブスクリプションサービス:会員登録、課金管理、コンテンツ配信などをノーコードで構築し、サブスクリプションサービスを開始できます。
特にサブスクリプションなどの決済機能は、Stripeなどの開発ツールが進化したおかげで簡単に作ることができるようになりました。
Stripeのメリット
- ノーコードで簡単に決済機能を組み込める
- 多様な支払い方法に対応
- 豊富な機能
- 高いセキュリティ
- Bubbleなどの主要なツールにはプラグインとしてすぐに使えるようになっている。
サブスクリプションサービスとしては以下のような用途が考えられます。
- 動画配信サービス
- 音楽配信サービス
- SaaS
- オンライン学習サービス
- フィットネスサービス
Bubbleを使ったスタートアップ事例
では実際の事例にどのようなものがあるのか?紹介していきましょう。日本でも利用されているものがありますが今回は特に海外で規模の大きいものを厳選します。
CircleHome
CircleHomeは、Airbnbのような家交換プラットフォームです。Bubbleを使って開発され、4ヶ月で完成しました。その後、12万ユーロの資金調達に成功し、10カ国以上へ展開し、ユーザー数は6万人を超えました。
【引用】https://bubble.io/showcase/circlehome?ref=circlehome
2. Marlow
Marlowは、生徒と指導者をつなぐマッチングアプリをマッチングさせるプラットフォームです。Bubbleを使って開発され、2ヶ月で完成しました。アプリには、音声通話やビデオ通話、カスタムコーチングプラン、リアルタイムでのメッセージング機能などが備わっています。現在、2万人以上のユーザーが利用しています。
3. Comet
Cometは、フリーランスのクリエイターのためのプラットフォームです。Bubbleを使って開発され、最近まで平均月収約 80 万ドルにまで成長し、 1,300 万ドル近くの投資資金を調達することに成功しました
Comet、Bubble、Evodev によるノーコード ブートストラップもあったので掲載しておきます。
ノーコード開発の進化と2024年以降の展望
ノーコード開発は、プログラミングスキルがなくても視覚的な操作でアプリやWebサイトを開発できる手法です。近年、その注目度が急速に高まっており、2024年以降もその進化は加速していくと考えられます。
Gartnerは、2022年のレポートで、ローコード開発ツール (ローコード・アプリケーション開発プラットフォーム:LCAP) はグローバルで広く採用が進んでおり、2025年までに、企業が開発する新規アプリケーションの70%には、ローコードまたはノーコード・テクノロジが使用されるようになると発表してます。
今後は、AIも筆頭にツールの高度化により複雑なアプリやWebサイトを開発できる機能が追加され、ツールを使いこなせる専門家の需要が高まり、ツールの使い方や、複雑な要件を満たすための設計・開発スキルが重要になっていくでしょう。
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