ビートボクサーとしてシルク・ド・ソレイユで活躍していた「かずさん」は、アーティストの夢を叶える場所を作りたいという思いで起業しました。
会社と同じ名称である「airamp」というサービスはノーコードで作られているようです!
そしてプロダクト開発を経験するにつれて、ある変化に気付いたそうです。
どのようなサービスなのか、そしてノーコード開発をどのように進めていったのかをお聞きしました!
【ゲストプロフィール】
Kazuo Saito(@musickaz)
国内でのバンド活動を経て2019年にシルク・ド・ソレイユでビートボクサーとして活躍。
自身の経験から「夢を叶える場所を作りたい」という思いで株式会社 airamp Japanを起業。
ノーコードで「airamp」というストリーミングサービスをリリース。
ノーコードで開発した音楽ストリーミングサービス「airamp」とは?
今日はよろしくお願いいたします!
今かずさんがされてることを教えていただけますでしょうか?
そうですね。
「airamp」とは、になりますけど笑
お願いします!
YouTubeのように利用できる音楽ストリーミングサービス
airampは、共同で一つの作品を投稿するストリーミングサービスになります。
分かりやすく言うと、 YouTubeみたいな感じに投稿することが可能です。
その収益が分配されるっていう形式になります。
「airamp」はノーコードの「STUDIO」で開発
「airamp」のページを見たんですが、凄いお洒落でした!
海外でも日本でも反響がありそうだなというビジュアルに感じました。
![](http://no-code.media/wp-content/uploads/2021/07/スクリーンショット-2021-07-02-22.07.40-1024x555.png)
ありがとうございます!
これも全部ノーコードですか?
これは全部「STUDIO」でできてますね。
![](http://no-code.media/wp-content/uploads/2021/06/スクリーンショット-2021-06-13-15.07.42-min-1024x566.png)
STUDIOなんだ!
デザインとかは自分でされたんですか?
そうですね!
誰の手も借りてはいないです。
凄い…!
一人でここまでできちゃうんですね…!
アーティストとファンを結びつけてマネタイズ
ちなみにですが、収益はどうやって発生しているんですか?
まだ構想段階なんですけど、一番最初に手をつけるのは販売ですね。
投稿者がファンに向けて販売するイメージです。
自分の演奏する音楽やミュージックビデオを販売する感じですね!
そうですね!
「ストリーミングのURLを買って下さい!」なんていうことがファンに向けて「airamp」でできるのではないかなと。
その関係性ができれば、販売と同時にクリエイターがサブスクリプションをファンに提供できますし、限定コンテンツをファンに向けて発信とかも実現できますね。
なるほど!
ファンとアーティストを結ぶツールのようですね!
そうですね、最初はそこからまず始まります!
充分にインフラが獲得できてきたら、広告やサブスクリプションでアーティストの収益を発生させようと考えています。
airampを作った理由は「夢を仕事にできる場所」を作りたかったから
起業して、このサービスを作ろうとした経緯とかっていうのはありますか?
10年以上バンドやって大きな成功を得られなかったのがきっかけ
10年以上東京でバンドを色々掛け持ちしていたんですけど、何が成功と呼べるところがないなと思ったんです。
と、言いますと…?
何かこう、大きいきっかけというか、アーティストがもうちょっと自分で集客しなくてもいい状況があるはずだと思ったんです。
なるほど。
アーティスト自身が集客するのも大変ですもんね…。
僕も演劇を生業としているので、お気持ちが痛いほど分かります…!
「世界でこんな場所で演奏してるんだよ!」とか「こういったことにこの人が関わってるんだよ!」っていうアーティストの情報が手に取るように分かったら、集客にも繋がるじゃないですか。
集客ができれば、夢を諦めない人が増えるんじゃないかなと思ったのが起業しようとしたきっかけですね!
めちゃくちゃ素敵で素晴らしい想いです!!
なんだか僕まで嬉しくなっちゃいました!
アーティストが活動できる場所を作るために「airamp」を起業
かずさん自身も元々パフォーマンスをずっとされてたんですか?
そうです!
ビートボックスのパフォーマーやバンドのサポートミュージシャンという感じです。
僕はパフォーマンスへの時間がたまたま掛けられたから良いですが、そうも言ってられない人もたくさんいると思うんですね。
たしかに…。
たとえば、もうご結婚なさってて、毎日何かしら演奏して収入を得なければいけないって人もいるので。
収入と時間のバランスは難しいですよね…。
そのようなアーティストやパフォーマーの人たちを救いたい気持ちや、その人のためになったら良いなっという気持ちが強かったんですね。
そうですね。
活動のゴールが分からない、どのドアをノックしていいかわからないって状況を変えられたら、絶対に夢を諦めないでそのまま進む場所が出てくると思いました。
集客さえできればゴールも見えてくるんでしょうが、アーティストの活動情報を手軽に掴めるようなサービスがないなと思って。
その想いを実際に起業して形にするってやっぱり凄いですよ!
なかなか簡単じゃないと思います…!
プログラミング学習で「作りたいものが果てしなく遠い」と感じた時期
だからサービスを作るためにプログラミングも独学したんですよ!
やはり最初はプログラミング学習にたどり着きますよね!
独学でプログラミングは習得できたんでしょうか?
それが学習を進めるうちに「自分が作りたいものっていうのはなんて果てしなく遠いんだ…」という現実を実感しました。
そうだったんですね…。
正直、一人じゃまず無理だなと思いました。
自分の持ってる知見じゃ確実に自分の思ってるプロダクトはできないなと思ったんです。
コードが書けなかったからプログラミングスクールで学習開始!
その後はどうしたんですか?
とはいえコードが書けないとプロダクトを作れないので、プログラミングスクールにも行ったりしました。
スクールだと体系的に学習できますもんね!
学びはありましたでしょうか?
やはり、サービスの仕組みを作るうえで機械への命令のやり方が確実に理解できていないといけないと気付きました。
システム作りの基本的な部分ですもんね。
プログラミングの構造は分かったけど挫折を経験。そして…
それなりに構造理解できたんですが、それと同時に挫折ですね。
挫折した後、ノーコードに出会ったという流れなんですか?
そうですね。
諦めず色々調べていましたよ。
そのときに「NoCodeCamp」の広告に出会いました。
コード書かずしてプログラミングできるものがあるらしいと。
ノーコードとNoCodeCampに出会って「airamp」の開発が加速
ノーコードについて深堀していたときに、NoCodeCampが協賛募集!みたいなクラウドファンディングがあったんですよ。
なるほど!
それがNoCodeCampとの最初の繋がりだったんですね。
NoCodeCampのクラウドファンディングのリターンでアイデアを形に
そのクラウドファンディングのリターンに「お返しで一つアプリを制作します」ってのがあったんです。
支援額は30万円だったんですけど「30万で自分のアイデアを試すだけでもできたらいいぞ!」と思って申し込みました。
たしかに!
その時点では、どういう風にできるのか、どこまでのアプリができるのかが理解できてないままでした。
でも、自分の作りたいサービスができるんだったら、もう自分の貯金を下ろしてでもやりますみたいな!笑
一番効率的で一番良い方法ですね!
実際に30万円のリターンで作ったサービスは今あるんですか?
ありますよ!
結局、出来上がったものは「airamp」の開発に大きく繋がりましたね。
要件が多すぎてアプリ開発が難航
具体的にどのようなところが「airamp」に活かせたんでしょうか?
システム構造の理解です。
構造は自分人りじゃ考えきれなかったので「こういう事に気をつけないといけないのか!」とか、余分な要件の削ぎ落としはかなりできましたね。
ただ、本格的に稼働したかったけれど、正直使い勝手が良い状況には最終プロダクトにならなかったですね。
そのサービス自体が「airamp」にならなかった理由は、要件の削ぎ落としにあったんでしょうか?
というよりは、ユーザーの登録フローなどが最初から想定できてなかったんです。
想定してなかったものが多くて要件が増えちゃったんですね。
増えすぎた要件を見直すとなると、もう構造自体を大きく変えなきゃいけなくなってしまって…。
具体的にはどのような要件が増えたんでしょうか?
「プロフィールでの役職を登録時に決めさせるのか登録させて後から入力させるのか」
「アーティスト情報を登録したIDで呼び出すのか、とりあえず『ギタリスト』って入れたら呼び出せるのか」とか。
そういったことがしっかり検証できないまま見切り発車してしまいました。
なるほど…。
最初の想定が想像以上に大切なんですね…。
とはいえ、そういった意味では失敗と言えど、かなり学びが多かったプロダクトですね。
ノーコード開発の経験がこれからの事業開発に活かされていると実感
現在は他にも2つのサービスをエンジニアの方に携わっていただいてコードを書いて進んでるんですけど、やっぱり構造や要件で問題にぶち当たってきてますね。
ノーコードかプログラミングかの判断ができるようになった
ただ、1つのサービスの方はノーコードでできたなという考えもありますね。
そこの「ノーコードでできたかもな」という感覚値がプロダクトをやるに連れて身についていくんですね!
そうですね。
設計すればするほど構造や要件を理解できるようになるので「これだったらノーコードで誰かに頼んだ方がいいな」っていう判断はしやすくなりましたね、本当に。
なかなかその感覚がプログラミング未経験とかだと難しく感じちゃうと思うんですよ。
それがノーコードなどのプロダクトをやっていく上で身に付くというの大きな武器だと思いますね。
ありがとうございます!
開発したサービスは自己紹介に使える!
他にも事業活動にプラスになったことはありますか?
サービスを人に送って見せられるようになったことですね!
「Product Hunt」に応募してみたり、投資家の人に「今稼働してるサービスがあるので見てください」って自己紹介ができたりすると交渉がうまくいったりしますね。
見せられるサービスが短期間でできるのは本当に事業として大きいメリットです。
何か一つでもポートフォリオになるようなものがノーコードで作れたら、それだけで自己紹介ができちゃいますもんね!
まずは真似してみる!ただしノーコードもエンジニア脳が必要!
では、最後にノーコードにチャレンジしたい方に向けてアドバイスをお願いできますか?
「真似したいサービス×ノーコード」で検索してみてほしいなと思います。
多くの場合、テンプレートがもうあったりするので、それを買ってみるだけでも何百万も節約できると思います。
まさに、30万円のリターンでサービスを作った経験と一緒ですね!
あとはノーコードでも「エンジニア脳」が必要なので、相談できる場所はあると良いですね。
僕もノーコードに関してエンジニアの人にちょくちょく相談しますし。
やはりエンジニア思考は持ってた方がいいんですね!
かずさん、本日はありがとうございました!